マイナス金利を受けて、注目を浴びている住宅ローンにまた新しい商品が登場するようです。

積水ハウスなど大手住宅メーカー10社で構成する優良ストック住宅推進協議会は29日、三井住友信託銀行と組み、中古住宅購入とリフォームの資金を一体で融資する専用ローンを提供すると発表した。リフォーム履歴などを考慮した協議会の査定額をもとに同銀行が担保価値を評価する。中古住宅の取引活性化を目指す。

築20年超の戸建ては建物部分の資産価値をゼロと査定するのが一般的で、金融機関も担保とみなさないことが多かった。リフォーム単体のローンは一般的に金利が割高だが、今回は購入と同時に行うリフォームの資金も含めて一体で融資する。三井住友信託銀行の住宅ローンの最優遇金利を適用する

ローンの借入期間は最長35年で、借入限度額は1億円。金利は変動型と固定型がある。協議会の加盟社が建て、仲介まで行う物件が対象となる

(2016年8月30日日本経済新聞朝刊13面抜粋)

 

優良ストック住宅推進協議会とは?

優良ストック住宅推進協議会は、既存の優良ストック住宅流通の活性化と適切な市場形成を目指し、2008年7月に設立されました。現在は住宅メーカー10社(旭化成・住友林業・セキスイハイム・積水ハウス・ダイワハウス・トヨタホーム・パナホーム・ミサワホーム・三井ホーム・ヤマダエスバイエルホーム)が加盟しています。いわゆる大手ハウスメーカーです。

目的は、優良なストック住宅(=中古住宅)について、独自の査定方式「スムストック査定」による査定に努め、その流通を推進し、住宅の長寿命化に取り組むとともに、良質なストック住宅の供給を通じ、安全で安心できる良好な居住環境の提供を促進することとしています。

具体的には10社が過去に建てた住宅で、以下の3つの条件を満たす家を「スムストック」と言います。

  1. 住宅履歴→新築時の図面、これまでのリフォーム、メンテナンス情報等が管理・蓄積されている
  2. 長期点検メンテナンスプログラム→建築後50年以上の長期点検制度・メンテナンスプログラムの対象になっている
  3. 耐震性能→「新耐震基準」レベルの耐震性能がある

 

なぜ築20年超の戸建ては建物部分の資産価値をゼロになるの?

一般的に事業を行う場合、所有する資産には法的に価値があり使用できる期間を定めた法定耐用年数というものがあります。税法上、基本的に10万円以上で、使用可能期間が1年以上の資産においては、その費用をその年度ですべて計上できないようになっています。このような資産は法的に決められた年数で分割して計上するルールがあります。つまり法定耐用年数とは、減価償却年数の元になる年数を決めたものになります。

一般的な法定耐用年数は何で造られたかによって以下のように異なります。

軽量鉄骨造      19年
木造造        22年
鉄骨造        34年
鉄筋コンクリート造  47年

上記で、事業を行う場合と書きましたので、こと一般消費者が不動産売買する場合には関係ないように思えるかもしれません。しかし、銀行もお金を貸すことが商売なので、もし返してくれなかったときのためにその建物が一体いくらの価値があるのか評価を出さなくてはなりません。それが上記の年数を超えていると、いかに建物が綺麗でも、またリフォームされていても価値がゼロと評価されることも多かったのです。

しかし、リフォーム・メンテナンスして家の価値を上げても評価が変わらないっておかしいですよね?

この制度も大分古いため、政府も改正の方向に舵を進めています。

今はマイナス金利で、どの銀行も低金利合戦を強いられています。そのため今後さらに、中古住宅売買が活性化するような特色のある住宅ローンの種類を増やしていくことでしょう。