国土交通省が、成約物件で客引きする不動産の「おとり広告」の規制に乗り出すようです。

国土交通省は成約済みの不動産物件をインターネット広告に載せて客を呼び寄せる「おとり広告」の規制に乗り出す。すでに取引意思のない物件を広告したり、成約物件をサイトに残したりするのは、宅地建物取引業法などに違反すると業界団体に通知。不動産取引が増える年度末に向け業界の悪弊を一掃する。

おとり広告は募集が終了した物件を「敷金・礼金不要」「相場より安い家賃」など好条件でサイトに載せて客を集める。実際は「別の人が入居を決めた」などの理由で他の物件を紹介する。

業界団体「首都圏不動産公正取引協議会」は、悪質な業者の広告は一定期間ポータルサイトに載せない自主規制を2017年1月から始める。国交省は業界団体を通じて周知徹底し、監視を強める。

(2016年12月24日日本経済新聞3面抜粋)

上記は不動産賃貸の例ですが、不動産売買に関しても同様です。

宅地建物取引業法第32条に誇大広告等の禁止として以下の条文があります。

宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない

また、消費者庁も景品表示法第5条第3号の規定に基づく「不動産のおとり広告に関する表示」(昭和55年公正取引委員会告示第14号)で、自己の供給する不動産の取引に顧客を誘引する手段として行う次のような表示を不当表示として規定しています。

(1) 取引の申出に係る不動産が存在しないため、実際には取引することができない不動産についての表示(例…実在しない住所・地番を掲載した物件)

(2) 取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引の対象となり得ない不動産についての表示(例…売約済みの物件)

(3) 取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引する意思がない不動産についての表示(例…希望者に他の物件を勧めるなど当該物件の取引に応じない場合)

事業者が、「不動産のおとり広告に関する表示」に規定されている不当表示を行っていると認められた場合は、消費者庁長官は当該事業者に対し、措置命令などの措置を行うことになります。

ただ、実際に不動産業をされている方ならわかると思うのですが、大手ポータルサイト(HOME’SSUUMOathome)はここ数年、既に「おとり広告」の排除に積極的に動いています。「もうその物件は成約されていませんか?」みたいな文言が来ることもあります。

そのため私見ではありますが、以前より大分おとり広告が減ってきた感じがあります。また、消費者も「おとり広告」自体を認知していることも多くなってきています。

ただ、未だ実際におとり広告があるのも事実です。そして、イタチごっこで完全になくなるということは難しいと思いますが、このような形で報道されることにより、今一度、不動産会社側も襟を正して、消費者が求めていることをよく認識して、取り組んで行く必要があるのではないでしょうか。