アメリカ大統領選挙は2016年11月8日、共和党の不動産王ドナルド・トランプ氏が、女性初大統領を目指した民主党候補のヒラリー・クリントン前米国国務長官を大接戦の末、破りました。

トランプ大統領と日本の住宅ローン金利

この結果は予想外で、世界に衝撃を与えました。

そのため、日本の不動産について、特に住宅ローンを利用されている人や、これから住宅の購入を検討している人は、住宅ローンの金利が上昇するのではないかと心配のことと思います。

ですが、今のところ大きな動きはないようです。

こちらは、固定金利型住宅ローンの指標とされている「新発10年国債利回り(長期金利)」の動きです。

新発10年国債利回り日別 新発10年国債利回り年 新発10年国債利回り10年分

ほとんど動きがありません。変動金利型住宅ローンの指標とされている「短期プライムレート(短期金利)」もほとんど動いていません。

固定型の住宅ローンの利率を決める長期金利も、変動型の住宅ローンの利率を決める短期金利も、現在は日本銀行がほとんど操作しているため、大きな動きはありません。(『そのイールドカーブとやらで不動産はコントロールできるのか』参照)

そのため、トランプ氏が大統領になったからといって、すぐに日本の住宅ローンの金利に大きな変動をもたらすかというと、答えはノーです。

では、今後はどうなるのでしょうか?

トランプ氏の勝利宣言の内容を少し見てみましょう。

[省略]

私は人生のすべてをビジネスに費やし、潜在的なプロジェクトなどをみてきた。今こそそれを我が国のためにするときだ。[…]

都市部のスラム化した地域を整備し、高速道路や橋、トンネル、空港、学校、病院などのインフラを整備することは最重要課題だ。そのために何百万人という労働力投入する。[…]

我が国の才能のある人材を生かし、経済成長に貢献してもらう。我々は経済成長率を2倍にして、世界で最強の経済を構築する。[…]

米国は最高のものを求め、これ以上妥協はしない。この国の宿命を書き直し、大きな夢を実現する必要がある。米国の利益を一番に考えるが、海外諸国とは公正を関係を構築することも世界に知らせたい。[省略]

(2016年11月9日トランプ氏大統領選勝利宣言より抜粋)

トランプ氏は、法人税の減税も掲げていると同時に、お金をジャンジャン使いまくるとここで宣言しているわけですから、米ドル札を刷りまくり、借金を増やすでしょう。そうなると米ドルの価値は下がって、相対的に日本の円は上がる=円高・ドル安につながる可能性が高いといえます。

今の日本のように、「金利は上げずに借金しまくる」ことこそが、借金王トランプ氏の理想といえるのではないでしょうか。

それよりも、日本の住宅ローンの金利の動きは、世界的に見てもほとんど例のない「長期金利の操作」を行っている日本銀行の手腕によって大きく変わりそうです。円高・米ドル安で追い詰められたときに、日本銀行はどのような選択をするのか、それにより金利はどのように動くのか、そこは「もしも」の世界であり、誰にもわかりません。

ただし、一ついえるのは、現在の住宅ローンの金利は『最低の水準』なので、いつまでも最低のままでいることはなく、どこかで上がるのは間違いありません。そのことを踏まえて、どのタイミングでどうするかの選択は、あなた自身の決定に委ねられています。今後の世界の動き、日本国内の動き、金利の動きに注視し続ける必要があるでしょう。